WX11Kの電話帳をiPhoneに移動

WX11Kの電話帳をiPhoneへ移動する方法をまとめました。

更新日: 2021/04/25


PCに電話帳データをバックアップ

まずはWX11KをPCに繋いでバックアップします。
WX11Kは端末単体でのバックアップは、(京セラ機共通の)KBFという独自のファイル形式でバックアップをするか、1件1件VCFにエクスポートするかのどちらかしかありません。
汎用性がないか、手間がかかる、と言うことで、今回はWX320Kに付属していた「携帯マスターNX LE」を使用します。


携帯マスターNX LEでWX11Kを認識させる

携帯マスターNX LEはそのままではWX11Kのデバイス情報が無いのでおそらく認識しません。
なので、他のファイルを参考にデバイス情報を登録します。

携帯マスターNX LEがインストールされいているフォルダ(例えば C:\Program Files (x86)\Jungle\KeitaiMaster NX\ )の下に Devices フォルダが存在します。
この中に、デバイス情報が入っているので、ここに必要なファイルを追加します。

WX11Kに一番近い端末という予想で、WX320K.infのファイルを開き、WX320Kという文字列をWX11Kに置き換え、WX11K.infというファイルで Devices フォルダに保存します。


VCFファイルを編集する

携帯マスターNX LEで保存できたVCFファイルは下記のような形式となっていると思います。
登録している件数すべてが1つのファイルにまとまっています。

BEGIN:VCARD
VERSION:2.1
N:和井萌倍流;;;;
SOUND:ワイモバイル;;;;
X-GN;CHARSET:Group 00
X-GNO:0
X-CVA-MEMORYNO:1
EMAIL;HOME:pdx@example.com
EMAIL;HOME:p_mail_deluxe@example.ne.jp
TEL;X-NEC-PHS:07001234567
END:VCARD

SOUNDの項目のカタカナは実際は半角カタカナになっていますので、これを全角カタカナに変換します。
# 例えばMeryの全角/半角変換プラグインを使うと一発です。

次に、「SOUND」を「X-PHONETIC-LAST-NAME」に変換します。
(SOUNDはWindows系の時の読み仮名として使われ、X-PHONETIC-*-NAMEはMac系の時の読み仮名として使われるみたいです。)

TELに「X-NEC-PHS」と入っているのは私の環境依存(昔から使っている名残?)かもしれません。

最後に、文字コードをUTF-8で保存します。(エディタによってはUTF-8(BOMなし)とかUTF-8Nとか表記されます)


iPhoneへ転送(失敗)

# 私はここで詰まりました。少しそのいきさつを下記に書きます。
上で修正したVCFファイルをPCからメールに添付してiPhoneのMMS(旧ウィルコム時代のpdxドメイン)へ送り、添付ファイルを開くと、見事に文字化けしてます。
iPhoneに転送した電話帳(文字化け)

文字コードをShift_JISにしてもダメ、下記のようにcharsetを指定してもダメ。

BEGIN:VCARD
VERSION:2.1
N;CHARSET=UTF-8:和井萌倍流;;;;
X-PHONETIC-LAST-NAME;CHARSET=UTF-8:ワイモバイル;;;;
X-GN;CHARSET=UTF-8:Group 00
X-GNO:0
X-CVA-MEMORYNO:1
EMAIL;HOME:pdx@example.com
EMAIL;HOME:p_mail_deluxe@example.ne.jp
TEL;X-NEC-PHS:07001234567
END:VCARD

で試行錯誤しているうちに、ふと、「メール本文のエンコードって何だっけ?」と気づきました。


iPhoneへ転送(成功!)

結論的には下記のような方法で、WX11Kから吸い出した電話帳データをiPhoneで読み込ませることが出来ました。

今回はPCでメーラーのSylpheedを使っています。アカウントはGmailです。
SylpheedでVCFファイル送信

Gmailはメール本文はUTF-8のようです。
添付ファイルは自分の知識ではBASE64が一般的かなと思っていましたが、quoted-printable というものもあるようで、SylpheedのGmailでvcfファイルを添付すると、こちらがデフォルトになっています。

ここで、添付ファイルのMINEタイプをいじって、明示的にUTF-8を指定します。
Sylpheedの添付ファイルにUTF-8を指定1 Sylpheedの添付ファイルにUTF-8を指定2

さらにさらに、VCARDのバージョン2.1はUTF-8をサポートしていないようです。
(上に書いているような、明示的にCHARSET=UTF-8を指定することも可能みたいですが)
なので、VCARDのバージョンを3.0にしてしまいます。
できあがったvcfファイルは下記の通りです。

BEGIN:VCARD
VERSION:3.0
N:和井萌倍流;;;;
X-PHONETIC-LAST-NAME:ワイモバイル;;;;
X-GN;CHARSET:Group 00
X-GNO:0
X-CVA-MEMORYNO:1
EMAIL;HOME:pdx@example.com
EMAIL;HOME:p_mail_deluxe@example.ne.jp
TEL;X-NEC-PHS:07001234567
END:VCARD

これをiPhoneで開くと、、、
iPhoneに転送した電話帳
無事に表示されました!

iPhoneで添付ファイルを開いて、「○○件すべての連絡先を追加」をタップすることでiPhoneの電話帳に登録することができました。