内蔵SCSI HDDを増設してみる

PC-9821は標準のHDDインターフェースが貧弱です。
余裕があるなら是非SCSIを増設しましょう。(最近はSCSI製品も減ってきていますが)
ここでは内蔵HDDを増設し、それにWindowsを再インストールする手順について書いています。
SCSIインターフェースはCHANPON3を用いています。


準備

このページの目的は、PC-9821を安定して使うことです。
よって性能はあまり重要視しません。(高性能に越したことはないですが)

まずは、SCSI HDDについて予習をしておきましょう。
SCSIについてのお勧めのサイトはF1's PC WORLDです。
このサイトでSCSIについての知識を付けておきましょう。


内蔵SCSI HDD

上でも述べましたが、HDD選びは性能より安定性を重視します。
選ぶポイントは「低発熱」、「音が静か」という2点です。
また、Windows 98をインストールしてブート領域としたいので容量が32GB以下である必要があります。(たぶん)
で、いろいろ情報を集めた結果以下の2つがお勧めです。

どちらも7,200回転のもので約18GBの容量があります。
静かで低発熱らしいです。
今回は(中古で見つかった) MAH3182MP をPC-9821Ra40に増設してみます。


ケーブル・金具

SCSI製品はケーブルに気を付ける必要があります。
ケーブルの不良でデータ化けが発生することもあるようです。

僕が選んだのは、AINEXのFT-1603というケーブルです。
これを選んだのはアクティブターミネータも付いていてお得だったから。

また、内蔵HDDを固定する金具も必要です。
今回は少し特殊な固定方法を考えている(以下参照)ので、400円程度で売っている5インチベイに止めるコの字型の金属のやつを買ってきました。


増設する(&工作)

PC-9821Ra40には内蔵HDDをもう1台増設するスペースがありません。
よって空いているところに無理矢理入れます。
今回は、FDDを増設する場所にHDDを増設します。
他にもCバスのスペースが空いていればそこに増設できそうです。

まず、コの字型の金具とHDDをネジで止めて増設FDDスペースに置いてみます。
で、PC本体には増設FDDスペースにネジ穴が4ヶ所あるので、そこと合うようにコの字型の金具に印を付けます。
一度金具からHDDを取り外し・・・
あとは金具に付けた印にドリルで穴を空けるのだ!

ちなみに僕は穴を空けるドリルはダイソーで売っていた3mmのドリルを使いました。
・・・辛かった。

穴を空けたらHDDと金属をネジで止めて、HDDにSCSIケーブル・電源ケーブルを接続し、パソコン本体に取り付けます。
これで接続は完了です。


HDDの初期化

無事にSCSI HDDを増設できたら初期化します。
初期化はMS-DOSで行いましょう。
基本は DISKINIT → FDISK → FORMAT という形です。

DISKINITはPC/AT互換機用に使われていたHDDをPC-98(形式)で使いたいという場合に行います。
よって、初めに1度行えば後で再び初期化したいときはしなくて良いようです。


Windows 98のインストール

Windows 98のインストールはまず標準の内蔵IDE HDDにインストールしてから、SCSI HDDにコピーするというやり方でいきます。
SCSI HDDに直接インストールすることも出来るのですが、うちのRa40には「差分モジュール」というCD-ROMがあって、 これはどうやら標準内蔵IDE HDDにインストールしたWindows 98にしか適用できないようです。

マニュアルを読みながらWindows 98を(再)インストールしたらSCSI HDDにコピーします。
Windows 98を入れたIDEドライブが A:、新しくWindows 98を入れたいSCSI HDDのドライブが C: とします。
AドライブからWindows 98を起動し、MS-DOSプロンプトで以下のように入力します。
"XCOPY A:\ C:\ /R /I /S /K /Y /C /H /E /F"
オプションは「リスキーシェフ」と覚えましょう。
これですべてのデータがCドライブにコピーされます。

しかし、このままではCドライブからWindows 98を起動することが出来ません。
ブート時にCドライブにあるデータがAドライブから読み出そうとするからです。(ややこしい)
標準内蔵IDE HDDを使用せずSCSI HDDのみで良いなら、起動時にHELPキーを押しながら出る「セットアップメニュー」で標準内蔵HDDを切り離せば良いです。
標準内蔵HDDも認識させたいという場合は、まりもさんのツール「DRVASN98」を使うと良いでしょう。
参考:[新]まりものページ


最後に

とりあえず、ベンチマークをとってみました。
まずは、今までの標準内蔵IDE HDDから。

 ★ ★ ★  HDBENCH Ver 3.30  (C)EP82改/かず ★ ★ ★ 
SCSI = IOI IOI-A100U2W PCI SCSI Controller
HDC = スタンダード IDE ハード ディスク コントローラ

AB = FUJITSU MAH3182MP        Rev 0114
C = GENERIC IDE  DISK TYPE00    

   ALL  Integer   Float  MemoryR MemoryW MemoryRW  DirectDraw
  1503        0       0        0       0        0           0

Rectangle   Text Ellipse  BitBlt    Read   Write    Copy  Drive
        0      0       0       0    3401    3172    2445  C:\20MB

こんなものですかね。。
で、次はMAH3182MP。

 ★ ★ ★  HDBENCH Ver 3.30  (C)EP82改/かず ★ ★ ★ 
SCSI = IOI IOI-A100U2W PCI SCSI Controller
HDC = スタンダード IDE ハード ディスク コントローラ

AB = FUJITSU MAH3182MP        Rev 0114
C = GENERIC IDE  DISK TYPE00    

   ALL  Integer   Float  MemoryR MemoryW MemoryRW  DirectDraw
 10490        0       0        0       0        0           0

Rectangle   Text Ellipse  BitBlt    Read   Write    Copy  Drive
        0      0       0       0   30294   30430    2218  A:\20MB

やっぱり速い。桁が違います。(笑)
でもFileCopyが落ちています。

次に音について。
とても静かです。
標準内蔵HDDの方が音が大きい気がします。
ただ、アクセス時の音が標準内蔵HDDは「ジジジッ」という感じだったのに対して、 MAH3182MPが「ゴリッゴリッ」という感じになって少し違和感(不安)を感じます。

発熱は、それなりに低いと思います。
筐体の上から触ってみると、GA-S2K32/PCIよりはぬるいな、という感じです。
位置も考慮すると、GA-S2K32/PCIより結構低熱だと思います。



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